Cocktail

ミクソロジーと創造性の行く先。「Cocktail Super Ball」が伝えたかったもの

“MIXOLOGY”グループ10周年に異業種クリエイターも集合

南雲主于三スピリッツ&シェアリング㈱代表

 この催しは、南雲主于三氏が代表を務めるスピリッツ&シェアリング㈱の10周年を記念して企画された。東京・八重洲のバー「codename MIXOLOGY」をスタートに着実に店舗数を増やし、クリエイター集団を育んできた南雲氏の視界にあるのは、新時代のカクテルだけではない。早い時期から料理とカクテルのペアリングにも取り組み、コーヒーや日本茶にも目を向けてきた。この日のメインカウンターでも、ボンタインコーヒー代表で2019年ワールドバリスタチャンピオンシップ決勝センサリージャッジを務めた加藤慶人氏のほか、三木隆真実氏(Koffee Mameya)、石谷貴之氏(フリー)、大渕修一氏(スターバックス リザーブ ロースタリー東京)による「SUPER BARISTA’S CAFE」ではコーヒーカクテル3種の飲み比べをプレートで提供。近年におけるコーヒーとカクテルや酒類、バリスタとバーテンダーの親和性を強く感じさせた。
 個室でのフロリレージュ(東京・外苑前)の川手寛康シェフによる料理とフードクリエーターの諏訪綾子氏、バーテンダー4人のカクテルとのペアリングコースは早期に予約で完売。またODE(東京・広尾)の生井祐介シェフのイノベーティブな料理にGem by moto店主の千葉麻里絵氏による最先端の日本酒ペアリング、セミナーとともに高い関心が見られた。
 イベントのオープニングを飾った横山亮介氏の和太鼓の演奏や、フレアバーテンダー世界大会優勝の金城光浩氏と女性フレアバーテンダー世界一にも輝いた熊代綾子氏、津軽三味線奏者の福居秀大氏によるショーも場を盛り上げた。

ミクソロジーとは何か。カクテルを知で探究する

 カクテルが明文化された中での歴史は200年ほどのものだ。この中で、最近10年から15年における技術や創作における進化は著しい。しかし、ミクソロジーという言葉そのものはカクテルが活字化された時代からあることを、我々は知っておくべきだろう。
 会場のPLUSTOKYO内にある南雲氏のバー「Mixology Spirits Bang(k)」ではクラシックカクテルが提供されたほか、伊藤学氏による「オールドボトルの考察」や田邉武氏による「クラシックカクテルの真髄」といったマスタークラスに聞き入るエデュケーショナルな要素もふんだんに込められた。
 これらのほか、スイスに本社を構える1895年創業の香料会社「フィルメニッヒ」によるジンウォーターワークセッションや、茶道家の松村宗亮氏によるミニセミナー&ワークショップ「茶道と日常の共通項」「現代の茶道とは」、ドイツ・ザール地方のクラフトジン「フェルディナンズ・ザール・ドライジン」にはブランドアンバサダーの北條智之氏、北條久美子氏が登壇し、来場者の「知」への探求心を満たす内容が多く盛り込まれた。

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